ナッツが主食です。
数年前に別名義で投稿した女子ボクシング小説に大幅な加筆修正を加えました。
内容としては腕に自信のあるボクシング部所属の女子大生が地下女子ボクシングでフルボッコにされてしまうお話です。
もしかしたら一度読んだ事がある方もいるかも知れないのですが、是非お楽しみ頂ければ幸いです。
文字数は約3400文字なのでpixiv換算だと読了まで約7分となってます。
女子大生が挑む地下女子ボクシングの初バイト 前編
熱い位にスポットライトが照りつける地下リング。
激しい性よk・・・熱気を湛えた大勢の観客に見守られつつ、私はそこに立っていた。
・・・本当にただ立っているだけだ。
対戦相手のパンチが次々に襲いかかってくるけれど、私のボロボロに痛めつけられた体ではもうガードすらままならない。
ただひたすら打たれるがままになってしまっていた。
ボディ、左右のストレート、右フック。
対戦相手の女の強打が突き刺さる度に私は醜いうめき声を上げ、身体が左右に踊らされてしまう。
このラウンド2度目のダウンからなんとか立ち上がる事ーは出来たものの、もはや闘える状態じゃない。
体中が痛いし意識はぼやけて腕を上げて立っているのがやっとの状態だ。
だがそんな事お構いなしに目の前にいる女はご自慢の強打をグロッキー状態の私めがけて放ってくる。
ブンッ
ナツキ「ぶっ!!」
フックでマウスピースを飛ばされたけれど、何とか倒れる事はなくそのまま試合は続けられる。
だがあっさりとロープ際まで追い込まれてしまい、次の瞬間には猛烈なラッシュが襲い掛かってきた。
ナツキ「うっ、ぐっ、あぶっ・・・ぶふぇ!!!」
もはや腕すら満足に上げられない私の無防備な体に相手の拳が面白い様に突き刺さる。
意識が朦朧としてきてもう何も考えられなくなっていた。
ナツキ (あ・・・もうダメかも・・・意識が・・・・・・)
カーン!!
何もかも諦めてその場に倒れ込もうとした時、第3ラウンド終了のゴングがなった。
幸運にも近くにスツールが差し出されたのでそのまま座り込む。
さっきから対戦相手の女に好き放題されてしまっている。
まぁさっきからじゃなくてこの試合ほとんど相手の好き放題にされていた訳だが。
ボクシングには自信があったのに、どうしてこうなったんだろう。。。
~~~~~~~~~~~~~~~~試合前~~~~~~~~~~~~~~~~~~
沙希「夏樹、本当に大丈夫なんでしょうね。」
テーピングをしている沙希が心配そうに夏樹に話しかける。
夏樹「大丈夫だって、私の実力は知ってるでしょ。
この前の大会でも良い所まで行ったんだし、こんな地下リングの試合なんかで負けるはずないわ!」
夏樹は自信に満ち溢れていた。
大学ではボクシング部に所属しており、アマチュアの大会にも出場してまずまずの好成績を残している。
こんな地下女子ボクシングで闘ってる様な女に負ける気がしなかった。
数日前に街中で声をかけられ、なんのスカウトかと思いきや地下女子ボクシングのバイト募集だという。
「地下女子ボクシング」という単語に怪しさと胡散臭さしか感じなかったが、バイト代である高額なファイトマネーの誘惑に負け二言目には「やります」と即答してしまっていた。
負けても結構なお金がもらえる上、試合に勝利した時の報酬は女子大生のバイト代としてはありえない金額が提示されていた。
腕に自信のある夏樹が断れなかったのも無理は無い。
地下女子ボクシングだからといって特に裸になる必要はなく、ビキニやスポブラを身にまとった女の子同士で殴りあうだけというのも夏樹の背中を後押ししていた。
試合直前だけあって流石に少し緊張してはいるが、それを振り払うかの様に夏樹は明るく振る舞う。
夏樹「勝ったらバイト代でなにか奢ってあげるから、今日はセコンドよろしくね!」
沙希は大学のボクシング部の同期であり、今回はセコンドを務める事になっている。
沙希「ハイハイ、期待しないで待ってるわ。 そろそろ試合の時間だから行くよ。」
前の試合が終わり、自分の試合の時間が近づいてきたので夏樹はリングへと向かい歩き出した。
実況「青コーナー、本日デビュー戦、現役女子大生でボクシング部所属の20歳。 アマチュアの大会にも出場経験のあるナツキ選手!!」
夏樹は青のトランクスに白いスポーツブラというコスチュームで入場した。リングネームは「ナツキ」で登録してある。
セミロングの黒髪は後ろでまとめてポニーテールにし、大きく形の良い胸がスポブラにしっかり収まっている。
ナツキは過去の試合経験ではかつてないほど大勢の観客に若干気圧されながらリングインした。
シャドーで体と緊張をほぐしながら対戦相手を待つ。
実況「赤コーナー、4勝1敗、24歳OL。現在4連勝中で絶好調のエリ選手!!」
Dカップのナツキよりも明らかに大きいバストが赤いビキニで包まれている。
黒くて短めのトランクスとのコントラストが眩しい。
ナツキはかなり顔が整っている方だがエリも中々の美人だった。
流石に慣れてるのか、ゆっくりとリングに向かって歩みを進めている。
両者リングイン後にレフェリーから諸注意を受け試合が開始された。
カーン!
ナツキは沙希のアドバイス通り、緊張を解くために様子を見ながらジャブを打っていった。
エリは顔色ひとつ変えずにガードし、お返しとばかりに数発ジャブを放ってくる。
地下での初試合で緊張していたが、日頃の練習の成果が発揮されしっかりとガードに成功する。
ナツキ (よかった、こんな人が多い場所での試合なんてどうなるかと思ったけどちゃんと体は動く!)
相手のパンチをガードできた事で体の固さが取れて動きにキレが出てきた。
ナツキは相手に向かって果敢にパンチを放って行く。
流石に安々と当てさせてはくれないが、ガード越しからでも手応えを感じていた。
その後はラウンド中盤まで五分五分の試合展開が続いたが、終盤にナツキが攻勢に出た。
ロープに追い込まれたエリの動揺した一瞬の隙を見逃さずフック、ボディブロー、アッパーと得意のコンビネーションを叩き込む!!
エリ「ぶっ、おぇっ、あがっっ・・・ぶへぇっっっ!!!」
全弾命中し体勢が崩れた所に更にダメ押しの右ストレートを叩き込まれ、体を吹き飛ばされたエリはそのままうつ伏せに倒れこんだ。
会場が一気に盛り上がりを見せる。
レフェリー「ダウン、ワン、ツー・・・」
エリの動きは特に鈍っている様子はなく意識はしっかりしてるのが見て取れた。
その美しい肢体は既に汗ばんでおり、露出の多いコスチュームと相まって濃厚な色気を醸し出していた。
ナツキはニュートラルコーナーに戻り息を整える。
良いパンチも何発かもらってしまったが、まだ全然戦えると本人は考えていた。
相手が立ち上がってきたら速攻で攻め込みに行こうと考えていると、エリがカウント6で余裕を持って立ち上がってきた。
派手なダウンのわりにはダメージがそこまでなかったように見受けられる。
ナツキ (なんだ、あんなにふっ飛ばしたのに大して効いてないじゃん・・・でもこの試合イケるかも!!)
カーン!
試合が再開され、ナツキが攻め込もうとステップを踏んだ所でゴングが鳴る。
ナツキは少しがっかりした表情で自分のコーナーに戻ろうとしていると、すれ違いざまエリが囁く。
エリ「どうやら緊張は取れたようね・・・」
その不気味な笑みは先程までリングに這いつくばっていた人間の顔とは到底思えなかった。
単なる強がりで言ってるだけなのか、それとも本心なのか・・・ナツキは言い知れぬ不安を覚えながら青コーナーのスツールに座り込んだ。
沙希「ナイスファイト! 良い出だしじゃない。」
マウスピースを外したり汗をふいたりしながら沙希がナツキをねぎらう。
ナツキはそれに応えつつ息を整えながら努めて冷静になろうとするが、先ほどの対戦相手の顔が頭から離れずになんとも言えない気持ちになっていた。
赤コーナーを見るとラウンドの終わりにダウンを取られたにも関わらずエリは和やかにトレーナーと談笑している。
ナツキ「だから言ったでしょ、私がこんな所でボクシングしてる奴なんかに負ける訳ないって。」
得体のしれない不安を振り払う様に夏樹は沙希に語りかけた。
まるで自分に言い聞かせるかの様に。
ナツキ (相手は弱い訳じゃないけどパンチもスピードも私の方が上。 次のラウンドもこの調子でいけるはず・・・)
沙希「見たところ技術面含めて諸々夏樹の方が上だけど、油断しちゃダメよ。 ここでの試合は初めてなんだし何があるかわからないんだから。
それに相手は4連勝中らしいし、、、このまま終わってくれる保証はないんだからね。」
ナツキ「ありがと、でも心配いらないわ。 このまま次のラウンドでKOしてくるから見ててね。」
夏樹はわざと強い言葉を使って自分を鼓舞した。
体力も十分に回復し気持ちも落ち着いた所でセコンドアウトの時間になる。
沙希にマウスピースを咥えさせてもらい夏樹は立ち上がった。
さいごに
後編はこちらからどうぞ!!
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